映画『コッポラの胡蝶の夢』解説 考察

2013年2月12日

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荘子の説話『胡蝶之夢』
今回はその説話になぞらえた映画『コッポラ胡蝶の夢』について綴る。
多少本作の結末に触れる箇所もあるのでご注意頂きたい。

『胡蝶之夢』とは

蝶になってひらひらととぶ夢をみたが、目覚めてもなおその感覚を持っていた。
はたしてそれは夢だったのだろうか。
それとも自分は蝶で人間の姿こそ蝶のみている夢なのではないかという説話である。
本作はそんな説話になぞらえたストーリーだ。

本作の流れ

恋人や人生を捨て、長年“言語のルーツ”について研究し続けていた
ドミニクという70歳の老人が研究が未完のまま人生を終えることを悲観し
“ある決意”をし向かった感謝祭のブカレストで落雷に打たれ死に瀕する。
しかし彼を待っていたのは死ではなく生だった。
彼の体は観る観る若返り驚異的な記憶力そして頭脳を持つおそるべき肉体へと変化を遂げていた…

本作と『胡蝶之夢』との関わり

本作『コッポラ胡蝶の夢』であるが、前述したような荘子の説話が本編にも登場する。
というより本作は言うなればその説話がすべてである。
荘子が述べたように実際に自分がいかなる存在であるかという答えは
曖昧模糊としている。蝶か人間か。答えはあるようでないのかもしれない。

その答えの決定権は自身の意識にある。
自分が「これは夢だ」と思えばそうなのだ。
それが覚めない夢でも、“夢”なのである。

ではどこからどこまでが夢なのか?現実なのか?無意識なのか?
荘子はその事実が重要なのではないと言う。
現実にせよ夢にせよその状況を受け入れることで自然と調和できると。
しかし本作が述べているのはまた違った箇所であると私は思う。

老いと死

本作の『落雷に遭うも生き延びる』というエピソードには既視感を覚えてしまう。
デヴィット・フィンチャーによる『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』
にもそれに近いエピソードが登場する。雷に7度撃たれても死ななかった男の話だ。

メインに描かれる話ではなくサブエピソードとして登場するものなのだが大変印象深いお話だ。
『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のメインテーマも肉体と意識の乖離だ。

ご覧になっていない方の為に念のため紹介するが
この物語は、一人の男ベンジャミンが80歳の肉体で生まれ
どんどん若返っていくという正しく“数奇”な人生を描いている。

つまり意識と肉体が丁度合わさるのは真ん中の年齢、40歳前後の時のみである。
精神はまだ赤子でありながら人生の終わりが近い老人の姿で生まれ
終末に近づくにつれ若返って行くのだ。

老いという部分に注目して頂きたいが今回主題とした映画『コッポラ胡蝶の夢』は
精神が老いながらも肉体のみ若さを保つという事態に陥っている。
『ベンジャミン・バトン』と同じ現象だ。
つまり若さと老いが肉体と意識にわかれ乖離しているのだ。

宗教的な観点から

輪廻転生という言葉がある。
人は死ぬがまた生まれ変わるという、私が興味深いと思う事象の一つである。
(事象と言うより仮説、妄想に近いかもしれないが)

老いると、歯や毛が抜け、腰が曲がる、筋肉は衰える。
しかしそれを終わりへの準備と割り切るのは急ぎ過ぎである。
乳児はみなそうなのだ。産まれて来たばかりの段階では歯も毛もない。
丸まった姿でもちろん筋肉だってない。
そして何よりしわくちゃで生まれてくるではないか。

つまりこう考えるのはどうだろうか。
肉体というものは再利用されていると。
もちろん老いる前に亡くなるとその肉体は利用できないだろうが
老いるべくして老い、死ぬべくして死んだ肉体は次の意識を得るために
赤子として産まれてくるための準備が出来ているのだ。
そう考えると肉体と意識の乖離は有ってしかるべきなのだろう。
同じ入れ物を再利用するわけで中身である意識はまた別の入れ物に宿る。

まとめ

本作は荘子の言だけを邦題にしているがその本質は違っているのではないか。
とも言い切れないが…映画自体も第一曖昧なので。
というより原作が読者にゆだねるべきところはゆだねているので、
それに忠実に作るとこういった印象を生むのかもしれない。全てが曖昧。

原作はミルチャ・エリアーデの『若さなき若さ』という小説だ。
タイトルをみればわかるように、つまり『胡蝶の夢』とは違ったベクトルで
本作が描かれているのがよくわかるだろう。

テーマは夢ではない。精神と肉体、老いと若さのアンバランスなのだ。

うわああああっ!!!!

難しい言葉でしゃべろうとしたら疲れた!
なんかさーティムロスがジジイの姿で出るじゃん?
どうしてもティムロスって『レザボア・ドッグス』の
Mr.オレンジのイメージが強かったから

「えええ!こんなに老けてんのもう!おじいさんじゃん!!」

と思ってびっくりしたよ。
ふうジジイメイクでよかった。
あとマット・デイモンでてて笑っちゃったよ!!げらげら

ジジイメイクで思い出したけど
『Jエドガー』のアーミー・ハマーもそんなだったよね!

で、結局なにがいいたいかって?
邦題ネタバレじゃーーーーーーーんん!

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