映画『恋の罪』ネタバレ 感想

2014年10月15日

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水野美紀が体を張った演技を見せ付けた映画『恋の罪』。
園子温による強烈な映画のネタバレ感想です。

『恋の罪』あらすじ

ラブホテル街の古びたアパートで発見された変死体。
体のパーツが切り分けられ、マネキンと接合された猟奇的な姿であった。
不倫相手とホテルにいる最中であった女刑事、吉田和子(水野美紀)の元にも
連絡が入り現場にかけつける。
真相を探るうちに浮かび上がったのは二人の女性だった…

3人の女

さて、本映画は3人の女を中心に描かれています。
それぞれまったく違うようで似た印象をも与える女たちを紐解いてみます。

抑圧された肉体と精神を解き放ついずみ

完全主義者のベストセラー作家である夫をもついずみ。
豪華な家、贅沢な暮らしをおくりながらその夫に貞淑であり常に完璧であるよう強制されています。
妻として、人間としての欲求不満にかられる彼女は夫の許可を得てパートタイマーとして働き始めますが
ひょんなことから騙されAV女優へと転落します。
転落します…と書きましたが。転落してすぐのいずみは人間的に充実感を得たのか
以前より活き活きとしています。まさしく解き放たれたという感じ。

その後美津子と出会い娼婦に身を落とすのですが
転落している一方どんどんいずみは開放的になっていく気がします。

演じるのは『冷たい熱帯魚』など園作品ではおなじみの神楽坂恵。
『冷たい熱帯魚』のときもそうでしたがかなり体を張っています。
もう体張りすぎ…!
数々のラブシーンはさることながら、子どもに○○を見せるところや
全裸になり、姿見に向かって何度も何度も叫びながらポーズをとるシーンなど…
OH!きょーれつ!ほんとすげえや。

本作は水野美紀が体張ってる!というのが売り文句でしたが
一番体はってるのは彼女である…。

強烈な印象を与える美津子

冨樫真演じる美津子という女性。
スラリとした体つきに鋭い表情を持つ彼女は
ラブホ街で“立ちんぼ”をする売春婦として登場しますが
実は昼間は大学教授として教壇に立つ立派な人物なのです。
昼の顔と夜の顔、まったく違った二面性を持った彼女はいずみを売春の道へと誘い
引きずり込みます。

彼女は売春婦という設定上、たびたび裸になるのですが、その姿がなんとも美しい!
スマートな体は、女性的な豊満な美しさというより、美しい青年のような魅力があります。
この辺の体型もいずみと対照的ですよね。
美津子という存在自体がとんでもなく下品ではありますが
美しいからだと下品な存在のギャップもこのキャラクターの魅力だと思います。

昼の姿から夜の姿に変身するシーンでの鬼気迫る演技は見もの。

全然関係ないのですが、『羣青』という漫画が実写化することがあれば
主人公の役はぜひ彼女に勤めていただきたいなとおもいます!(ホント全然関係ない)

狂言回しとしての和子

主人公に位置づけられるのが水野美紀演じる和子ですが。
どちらかというと事件の外から触れ物語を進行させる役目です。
和子は女刑事であり、家庭を持つ妻であり母でありますが
夫の後輩の男と不倫に興じています。
その男からはよからぬ命令をされ、半ば奴隷のように扱われていますが
本人もまんざらでもないといったところ。
(男の詳細については後述)
そんな和子が今回の猟奇的な事件に触れるわけですが
どこか他人事ではないように被害者と自分と重ね合わせています。

水野美紀といえばどうも『踊る大捜査線』のイメージが強いせいか
本作での役柄に衝撃を受けますね!

思いの外似合う

アンジャッシュ児嶋のサド男役!!!!!
水野美紀演じる主人公和子の肉体と精神を縛るサドの変態男を演じるのは
なんとアンジャッシュの児嶋。
彼は和子の夫の後輩という立ち位置ながら、和子の心も体も縛り苦しめます。
(苦しんでいないような気もするけど笑)

児嶋というと、いじられキャラ、キレキャラでお茶の間の笑いを呼ぶ男ですが
意外や意外、本作でのサディスティックな役柄がしっくりはまってます。
実はほんとにこんなキャラかも?!と思うくらいのはまり役。

もうおなか一杯や!!!!!!!!!!!!!!!

ラブシーンの応酬はさることながら、
本作に出てくる登場人物一人ひとりがとんでもないくらい強烈!!
先に紹介した三人の女性はさることながら、
サドの変態男に、精神がキてる美津子の母、ネジが外れた売春斡旋屋のカオル、極度の潔癖で完ぺき主義ながら首をしめられることに快感を覚えるいずみの夫など…
どいつもこいつもキャラが濃すぎておなか一杯になります。
カツ丼食べた後に、カツカレーが出てきて、お口直しにヒレカツ定食がきちゃった上、しめにソースカツ丼を食べさせられるようなそんな気分です。

ちなみにこの映画の唯一の良心といえるのが和子の夫です。
彼だけが平凡。彼だけが普通。彼はカツ丼についているお漬物の役目、いや、あったかいお茶のような役割を果たしています。…まあかわいそうな境遇だけれど。

まとめ

後味もむなくそも悪い。心にもやもやとしたものが残る作品でした。
(それが狙いなんだろうけど)
猟奇殺人がいかにして起こったかといった事件の真相にせまるというよりは
そこに絡みつく3人の女の生き様(美醜)を中心に描いています。
正直前者を期待して、サスペンステイストな映画なのかなと思って観ていましたが
まったくそんなことなかった。
っていうか園子温の映画を観る心構えとして私がまちがっていました

とにもかくにもラブシーンが多いので正直げっそり疲れてしまいました。
ただ、劇中にあった自分自身の価値を値段として表現しようとする姿には
「ははあ、そういう考え方もあるのか」と感心しました。
決して同意はできないけどね。

美津子といずみのように堕ちようとしている和子の姿を示唆したオチは好きでした。
何度も言うけどこの映画で一番よかったのはやはり冨樫真かな!

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